継続雇用者の給与を前年比増加させた中小企業向け補助金とは?制度概要

この補助金は、中小企業が継続雇用者(正社員・契約社員など)の給与を前年度より増加させた場合に、その増加額の一部を国が支援する制度です。目的は、人手不足が深刻化する中で、企業が賃上げを実施しやすくし、労働者の所得向上と経済の好循環を促進することにあります。特徴は、業種や地域を問わず全国の中小企業が対象で、申請は電子申請で行います。給与増加額に応じて補助額が決まるため、積極的な賃上げが報われる仕組みです。2026年3月31日まで公募中で、予算がなくなり次第終了する可能性があるため、早期の申請が推奨されます。

補助金額・補助率の詳細

補助額は、継続雇用者の給与総額の前年度からの増加額に補助率を乗じて算出します。補助率は中小企業で最大15%、上限額は従業員数に応じて異なります。例えば、従業員20人以下の企業では上限100万円、21~50人では200万円、51人以上では300万円が目安です(※最新の公募要領を要確認)。支給条件として、増加額が前年度比で2%以上かつ1人当たり平均で月額5,000円以上である必要があります。補助額は以下の表を参考にしてください。

従業員規模 補助上限額 補助率
20人以下 100万円 15%
21~50人 200万円 15%
51人以上 300万円 15%

対象となる事業者・要件

以下のすべてを満たす中小企業が対象です。

  • 中小企業基本法上の中小企業であること(資本金・従業員数要件を確認)
  • 継続雇用者(申請時点で6か月以上雇用している者)の給与総額を前年度比で増加させていること
  • 増加率が前年度比2%以上かつ1人当たり平均月額5,000円以上
  • 給与増加の対象となる従業員が全従業員の3分の2以上であること
  • 労働保険料や社会保険料を滞納していないこと
  • 風俗営業等を営んでいないこと

なお、事業主や役員の報酬増加は対象外です。詳細は公募要領で確認してください。

対象経費の範囲・対象外経費

補助対象となるのは、継続雇用者に支払った給与の増加額です。具体的には、基本給、職務手当、資格手当など、毎月定期的に支払われる給与が対象です。ただし、以下の経費は対象外です。

  • 役員報酬
  • 賞与(一時金)
  • 残業代
  • 通勤手当など実費弁済的なもの
  • 新規採用者への給与(継続雇用者のみ)

対象経費は、給与台帳や賃金規定などで明確に区分できる必要があります。不明な点は、補助金マッチング診断で専門家に相談することをおすすめします。

申請から交付までの流れ

  1. 公募要領の確認:最新の公募要領をダウンロードし、要件を確認。
  2. 給与データの準備:前年度と今年度の給与総額を算出し、増加額を計算。
  3. 必要書類の収集:給与台帳、労働保険料納付証明書、決算書類などを用意。
  4. 電子申請システムへの入力:所定のシステム(例:Jグランツ)で申請書を作成。
  5. 申請書類の提出:必要書類を添付し、申請期間内に提出。
  6. 審査:事務局による書類審査(約1~2か月)。
  7. 交付決定:審査通過後、交付決定通知が届く。
  8. 補助金の受領:指定口座に振り込まれる。

採択率を上げる5つのコツ

採択率を高めるには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 給与増加の根拠を明確に:賃上げの理由(業績向上、人手不足対策など)を具体的に説明できる書類を準備。
  • 全従業員の3分の2以上に賃上げ:要件を満たすため、対象従業員を広くカバーする。
  • 増加率を2%以上に設定:ぎりぎりではなく、余裕を持った増加率を計画。
  • 書類の不備をなくす:給与台帳と申請書の数値を一致させ、誤記入を防ぐ。
  • 専門家のレビューを受ける補助金一覧から関連情報を収集し、コンサルタントに依頼するのも有効。

特に、給与計算のミスは採択に直結するため、複数人での確認が推奨されます。

よくある質問(FAQ)

Q1. パート・アルバイトも継続雇用者に含まれますか?

はい、6か月以上雇用しているパート・アルバイトも対象です。ただし、給与増加の条件を満たす必要があります。

Q2. 申請はいつまでにすればいいですか?

2026年3月31日までですが、予算がなくなり次第終了するため、早めの申請をおすすめします。

Q3. 増加額の計算方法を教えてください。

前年度の継続雇用者給与総額と今年度の同総額を比較し、差額が増加額です。1人当たり平均月額も計算します。

Q4. 補助金は課税対象ですか?

原則として、補助金は法人税の課税対象(益金)となります。詳細は税理士にご相談ください。

Q5. 不採択となった場合、再申請は可能ですか?

公募期間内であれば、改善点を修正して再申請できます。ただし、審査は再度行われます。

申請を検討する事業者へのまとめ

この補助金は、賃上げを実施した中小企業にとって貴重な資金源です。要件を満たす企業は、ぜひ申請をご検討ください。まずは補助金マッチング診断で自社の適性を確認し、記事一覧で他の補助金情報もチェックするとよいでしょう。また、補助金一覧から類似制度(例:業務改善助成金)も併せて検討することをおすすめします。不明点は専門家に相談し、正確な申請を心がけてください。